桜の季節の小石川後楽園は、「先憂後楽」の名に違わない良き庭園でした

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桜の季節ですので、多くのカメラマン同様に一眼レフを携えて、お花見スポット巡りに精を出しています。三脚を立ててじっくりと…という訳ではないのですが、お花見6割、写真撮影2割、団子2割くらいの割合で頑張っています。
というこで4月初旬に、全国でも9ヶ所しか特別史跡特別名勝の重複指定を受けている小石川後楽園へ行ってまいりました。この重複指定、全国でも金閣寺銀閣寺などの9ヶ月のみで、関東圏では浜離宮恩賜庭園小石川後楽園だけだそうです。
初めて行ったのですが、豪華な作りながらも落ち着いた雰囲気の楽しめる庭園でした。梅の季節はもう逃してしまいましたが、紅葉の季節になったらまた訪れたいです。

後楽園の由来

小石川後楽園は、江戸時代にあたる寛永6年(1629年)に御屋敷の庭として作られたそうです。日本が鎖国をし始める頃ですね。その後、屋敷を受け継いだ徳川光圀水戸黄門さまです)の代に完成したそうです。黄門さまは儒学が好きだったので、中国(明)から亡命して帰化した朱舜水を師匠と仰ぎ、この朱舜水が庭園の名付親となりました。彼は『岳陽楼記』という書物の、中国・宋時代の中にある言葉「先憂後楽」から、「後楽」の名を取りました。この「先憂後楽」は、「為政者(権力を握るもの)は、人々に先立って気を配り心配事に処置すべきで、楽しいことは市民が先に体験しその後に自分が楽しむべきである」ということでしょう。

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小石川後楽園の美しい景観は本当に素晴らしく、楽しめます。これを広く市民に開放していたということなので、確かに「後楽園」の名に恥じませんね。この「後楽園」の名は次第に周囲の施設などにも広く使われる様になっていきました。
例えば、東京ドームが出来る前に、東京における初のプロ野球用の球場として使用されていた後楽園球場です。小石川後楽園に隣接していたのですが1937年に作られた後1987年まで使われていました。(東京ドームと後楽園ドーム、2球場が隣り合っていた時代もあったということですね。)ちなみに以下の写真の中央にある白いものは、東京ドームのドーム部分です。

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ちなみに丸の内線などが通る後楽園駅は、1954年に帝都高速度交通営団営団地下鉄)によって作られました。今もある「メトロ・エム後楽園」という駅ビルは、営団地下鉄としては初の駅ビルだそうです。ちなみに、後楽園駅を通る南北線はというと、ずっと後の1996年開業。私も子供のころに東京ドームで野球観戦をした際、開業すぐの南北線に乗った記憶があります。当時は電車とプラットフォームを分けるホームドア制度が珍しく、南北線後楽園駅が私の初めてのホームドア体験だった気がします。

桜の季節の見どころ

小石川後楽園には、幾つかの桜の木がありますが、何よりも門のすぐ近くにある枝垂桜(シダレザクラ)が一番見応えあります。推定樹齢約60年だそうです。ソメイヨシノとは満開時期が少しずれている(シダレザクラが先に咲きます)ので、3月下旬から4月中旬頃まで、比較的長く庭園での桜見は楽しめます。但し、夜間のライトアップはやっていません。

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庭園の中央に位置する大泉水という名前の池は、琵琶湖をイメージしているのだそう。こちらの周りにも、立派な松や桜の木があり、池には鯉や鴨たちが泳いでいて癒されます。鴨の親子たちのことは、ずっと見ていられました。

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場所と混雑状況

小石川後楽園は、後楽園駅飯田橋の中間くらいに位置します。後楽園駅は東京ドームのすぐ隣にあるのですが、出入口が後楽園駅のある場所の反対(南西側)に位置する為、ぐるっと半周する必要があります。

桜見のピーク時期の土日は凄い人出で、チケット購入列には100人超の行列ができていました(12時頃)。行列は入場門を超えて、庭園の塀際を数十メートルも続きます。チケット購入までの時間は30分~1時間程を見ておく必要があると思います。
ピーク時期平日の行列は、約20人くらいでした(こちらも12時頃)。チケット購入までの時間は約5~10分でした。

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デジタル現像

桜をカメラで撮って補正を一切しないと良くあるのが、桜の色がピンクではなく白になっているという現象です。これを避けるには、カメラのレンズにピンク色のフィルターをつけるか、撮った後に少し色味を調整する必要があります。私は、デジタル現像で色味調整も行っています。
今回の写真では、①切り抜きで被写体をもっとアップにする、②露出量を増やして写真を全体的に明るくする、③色味を少し調整して目で見ていたピンク色に直す、という3点に気を付けて現像を行いました。