(Lightroom現像)切り抜きツール

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「写真は引き算」と言われるくらい、余計なものを取り除くことが写真においては重要です。

人間は、たくさんの人がそれぞれに雑談しているなかでも、自分が興味のある人の会話や自分の名前などは自然と聞き取ることができるそうです。これをカクテルパーティー効果というのだそうですが、人はたくさんの情報を無意識の内に取捨選択しているのです。視覚情報でも、人は同じ様に自分にとって意味のある情報を取捨選択していると思います。

だからこそ、写真は既に情報の取捨選択されていると人間は思い込みます。たくさんの可能性の中から、この部分を世の中から切り取ったのには意味がある筈だ…と考えて、全てをしっかりと見てしまいます。写真を見てくれる人が悩まない為にも、見て欲しいものに内容を絞ることは重要だと思います。 

この「引き算」を行う為、Lightroomを使った現像では切り抜きツール(crop)を使います。できることは3つあります。

<ツール画面>

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① 切り抜きツールボタン = ショートカットキー”r”
この画面を立ち上げる時に使用するボタンです。切り抜きツールは少し特殊で、他の現像モジュールの効果やツールと違って、Lightroomのどの画面を使っていても”r”を押せば素早く切り抜きツール画面に遷移できます。私は、大体の現像は切り抜きから始める為、”r”を押して切り抜きを終えてから、他の現像作業に移ることが多いです。

② 切り抜き
アイコンをクリックしてから写真の残したい箇所を囲うか、写真の境界線部分をドラッグすることで切り抜き領域を設定します。

③ 縦横比(アスペクト比)調整
鍵アイコンを良くみましょう。鍵がかかっていると、現在のアスペクト比が固定されます。切り抜きをする前に、アスペクト比を固定する鍵がかかっていることは確認します。自由なサイズで切り抜きを行う場合には、鍵ボタンを押してロックを解除します。
2:3や1:1など、定型サイズに変更したい場合には「元画像」などと書かれている箇所をクリックし、定型サイズを呼び出します。

④ 角度
見やすさの面からは、写真を真っ直ぐにすることも重要です。角度調整方法は4つあるので、やり易い方法を選べばよいと思います。

  1. 定規の部分をクリックして、水平にしたい部分をなぞる(端から端まで引っ張る):風景画で水平線があるなど、水平が明確な場合は簡単
  2. 角度スライダー:右・左につまみを動かすことによって、角度を調整できる
  3. 写真領域で外側の領域をクリックし動かす:感覚的に角度を調整できる
  4. 自動ボタン:自動という箇所を押すと、自動判定により写真の傾きを修正してくれます。精度はそこそこですので、まずは押してみてもいいかもしれません。

⑤画像に固定
レンズ補正を適用するなどした場合、何も写っていない領域が残ってしまうことがあります。こういう場合に何かが写っている領域だけに自動で切り抜いて欲しい時に、選択します。あまり使いません。 

<その他のポイント>
・「オーバーレイ」の切り替え=ショートカットキー”o”
切り抜きツールを起動中に"o"を押すと、ガイドが表示されます。(以下写真の様な半透明の区切り)補助線で感覚を補いましょう。
また、種類は結構あるのですが、使うのは「グリッド」と「3x3」だけですので、メニューの、
 ツール>ガイドオーバーレイを切り抜き>切り替えるオーバーレイを選択
で表示させる種類を少なくすることが可能です。

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・更に厳密に角度を測りたい場合は、ルーペ機能
より細かく補助線をひきたい場合には、ルーペオーバーレイという機能を使います。
 ルーペオーバーレイ=ショートカットキー "Ctrl" + "alt" + "o" (mac OSは"command" + "Option + "o")
この機能を立ち上げて"Ctrl"(mac OSは"command")を押すと、グリッドのサイズなどを変更できます。
また、メニューの、
 表示>ループオーバーレイ>ガイド
を選択すると、縦横一本線が表示されるのですが、これは"Ctrl"を押しながらだと中央をつかんで自由に場所を変更できるので、角度を真っすぐにしたい対象物が決まっている場合には、使いやすいです。
ちなみに、この機能は切り抜きツールの機能ではないので、他の画面でも使用可能です。

・縦横の切り替え=ショートカットキー"x"
切り抜きツール起動中に"x"を押すと縦横の縦横比を切り替えることが出来ます。あまり使いません。
写真は、沖縄の美ら海水族館へ行った時のものです。動きながらの写真だったので構図をしっかり決めてから撮る余裕が無く、壁が写ってしまいました。また、色味はカメラ内部の設定が良くなかったので、目で見た色に修正しています。